企業向けサービスが好調、新型コロナによるローミング事業の低迷をカバー

現地コード 銘柄名
01883

中信国際電訊集団

(シティック・テレコム・インターナショナル・ホールディングス)

株価 情報種類

2.54HKD
(7/9現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 新型コロナウイルスの流行によるローミングサービスへの悪影響にもかかわらず、BOCIは中信国際電訊の20年上期の利益および中間配当が前年同期並みを維持するとみている。企業や政府機関のIDC(インターネットデータセンター)およびクラウドコンピューティング・プロジェクトを背景とした企業向け通信サービスの需要増が背景。8%の高水準にある配当利回りや同業他社と比べた魅力的な株価水準を理由に、目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

    BOCIによると、同社のサービス収入全体の50%強を占める「To B」(企業向け)通信サービスの需要増を追い風に、20年6月中間期の利益は前年同期並みを維持する見込み。マカオや東南アジアにおける新規のIT/IDC/クラウド・プロジェクトが追い風となったためで、上期の企業向けサービス収入について、BOCIは前年同期比8%増の16億4,000万HKドルを見込む。同社はマカオ、香港、中国本土をカバーする唯一のIDC事業者であり、「バーチャル・プライベート・ネットワーク」や、ボーダーを跨ぐその他通信サービスを通じ、主に多国籍企業向けにサービスを提供する。20年上期には香港の「Citicタワー」の施設完成に伴い、IDC拡張プロジェクト・フェーズ3Bが始動した。

    企業向けサービス事業ではこのほか、ログイン制御やトランザクション認証において効果的なツールとなるA2P SMS(企業から消費者に送信するショートメッセージサービス)事業も好調。20年上期に前年同期比60%の増収を達成し、データモール事業や国際音声サービス事業の低迷をカバーする見通しという。

    モバイルサービスと国際ローミングサービスは新型コロナに伴う渡航規制が響いて低調。マカオ当局が入境制限を継続していることが、傘下の通信キャリア、マカオ・テレコム(CTM)のモバイルローミング・サービスに打撃を及ぼした。ただ、インターネット・サービスは住宅向けの光回線のアップグレードやステイホーム志向を背景に、プラス成長を維持したとみられ、これが悪影響の一部を相殺する見込み。一方、米国による通信関連規制の強化が懸念材料だが、同社経営陣は最悪のシナリオの下でも、自社の収益に対する影響は限定的との見方。いざとなれば代替ゲートウェイを使ったルートの再設定が可能だとしている。

    BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを据え置いた。中間配当に関しては、前年同期並みの0.05HKドルを予想している。一方、レーティング見直しにつながる可能性があるリスク要因として、渡航規制を受けたマカオのインバウンドへの打撃がさらに長期化する可能性を指摘。同社のモバイルおよびローミング収入へのマイナス影響が長引くとしている。