年度や年の中で動く時間帯は?

 1月は、年はじめということで一気に相場が動くことがあります。5月に一度だれて、夏場に向けて盛り上がり、9月、10月は波乱の月。そして11月下旬からクリスマスモードに入り、 12月は閑散というのが基本的な流れです。気になる月を見てみます。

3月 3月31日の期末日の数日前から相場が動きやすくなる。年度末はドル買い需要が多いなどとよく言われるが、一概には言えない。期末絡みの特殊玉や決算絡みの調整売買など特殊要因が多く、相場が翻弄されやすいため。ただし、ここ数年は輸入が増えているため(貿易赤字傾向)ドル買いには注意したいところ。繰り返しますが、特に3月31日は要注意日。さらに午前10時前の公示レート発表前後は要注意時間帯
5月 株の世界では「Sell in May」という格言があり、5月は売り逃げろと言われています。 為替の世界ではゴールデンウイークの時に動くことが多い
8月 なんとなくいやな月。特にお盆休みに大きな事件が起こるという印象がある。もちろん、毎年ではないが…。 
1971年8月15日 ニクソン・ショック・ドルと金との兌換停止を宣言
1990年8月2日 イラクのクウェート侵攻 
1998年8月17日 ロシアのデフォルト (対外債務の支払い停止)
2007年8月9日 リーマン・ショックの前年のパリバショック 
9月 通貨大乱の月。為替の世界では最も警戒する月
1985年 9月22日 「プラザ合意」一気にドル安調整が進み、翌日1日で240円台から20円の円高に
1992年 ポンド危機。9月を通し、ポンドはジョージ・ソロスに売り浴びせられ、イングランド銀行の介入にもかかわらず、9月17日、ポンドはERM(欧州為替相場メカニズム)を脱退し変動相場制に移行。この日はブラックウェンズデー(暗黒の水曜日)と呼ばれ、ジョージ・ソロスは「イングランド銀行を破産させた男」として一躍有名に
2008年 9月15日 リーマン・ショック。 リーマンブラザーズの破綻をきっかけに世界金融危機に
2013年 特に大きな波乱はなかったですが、米国のFOMCで金融緩和縮小が期待されていたが、予想外の縮小見送りの結果、ドル安に。大きな相場変動はなかったが、相場の分岐点になるかもしれない。
10月 株の世界では1929年10月24日のNY株の大暴落(暗黒の木曜日 ブラック・サーズデー)が記憶されており、大警戒の月
1987年 10月19日 ブラック・マンデー(暗黒の月曜日)。1929年の暗黒の木曜日を上回るNY株の大暴落。翌日の東京株式市場は、鮮明に記憶しているが、全面安のストップ安に。為替のディーラーもただ見ているだけ
1998年 ドリームチームと呼ばれたヘッジファンドLTCMがロシア危機をきっかけに破綻。ドル/円は2日間で20円の円高に
2009年 10月のギリシア政権交代をきっかけに財政赤字がふくらむことが明らかとなり、ギリシア危機から欧州債務問題に発展

 上記のように、9月、10月は、株や為替で不穏な動きが出やすく、またここ数年は欧州で秋から問題が発生し始める傾向があり、要注意の季節です。

 

11月、12月

11月 11月の米国感謝祭( Thanksgiving Day 第4木曜日)からクリスマス・モードに入るため、1年の閉めはそれまで。11月15日は前述したヘッジファンド解約の45日前ルール(12月決算ベース)にあたるため要注意日
12月 クリスマス・モードは強まり、超閑散相場となる日が続きます。12月25日は 世界的に相場が休む日。全く流動性がなくなるため、あまり大きくポジションを持つと悪いコストでの決済となるため要注意。12月31日は、平日であれば、相場は動いている。1月は、世界的には2日から相場が動く