1ドル=108円の壁
先週のドル/円は、結局、108円台の重たさを確認した週となりました。
先々週は1ドル=106円の堅さを確認したことから、106~108円のレンジの上限と下限を、2週間かけて確認したことになります。ただ、ここしばらくは1ドル=107円台半ばから後半で推移しているため、再び108円を試す動きがあるかもしれません。その時に意識されるのが7月1日に発表された日銀短観(6月調査)の想定為替レートです。
6月調査の日銀短観によると、2020年度の想定為替レート(全規模・全産業)は1ドル=107.87円となっており、108円手前が企業に意識される水準となっていることが分かります。輸出企業(全規模)の製造業に絞ると、1ドル=107.60円とさらに円高水準になります。その中でも鉄鋼業の想定為替レートは1ドル=107.50円、自動車を含む輸送用機械は107.31円とさらに円高に。このことが1ドル=107円台でもみ合っている要因の一つなのかもしれません。
ただ、最近の貿易収支は貿易赤字が続いているため、輸出企業のドル売りのインパクトは以前ほど強くないかもしれません。
ちなみにユーロ/円の想定為替レート(全規模・全産業)は119.74円であり、現在の水準は1円60銭ほどの円安水準となっています。