4 オートバックスセブン(9832・東証1部)
▼どんな銘柄?
国内最大手の自動車用品店です。カー用品の販売や取付・交換サービス、車検・整備などを提供するフランチャイズで運営しています。5月29日現在での国内店舗数は586店舗となっています。
また、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域を中心に海外事業の基盤強化を進めているほか、海外では新規ビジネスとして、小売店舗のほかに、商品の卸売事業も拡大させています。
▼業績見通し
2020年3月期営業利益は75.9億円で前期比1.4%増益となりました。タイヤは前年割れとなったものの、ドライブレコーダーなどが好調に推移しました。販促費などは増加した一方、海外事業やネット事業などの利益率改善で増益を確保しています。
2021年3月期は76億円で同0.2%増益の見通しです。新型コロナウイルスによる消費低迷などをマイナス要因としていますが、前年度の暖冬の反動による冬用タイヤの需要増などで小幅な増収増益の予想です。
▼ここがポイント
「あおり運転罪」を新設した改正道路交通法が6月30日に施行されています。これをきっかけに、一段とドライブレコーダーへの関心も高まる公算が大きいでしょう。
また、会社側の国内上半期既存店売上高前提は前年同期比10.7%減ですが、4月の前年同月比18.9%減に対して5月は同10.2%減まで落ち込みは縮小しています。想定よりも回復ペースは速まる可能性も高いといえるでしょう。
5 沖縄セルラー電話(9436・JASDAQ)
▼どんな銘柄?
KDDI(9433)を親会社とする通信会社です。沖縄県では5割と圧倒的なシェアを占めています。
「au」「UQ」のブランドで展開するモバイル事業、「auひかりちゅら」「ひかりゆいまーる」が中心のFTTH事業(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)、2019年11月からサービスを開始したauでんきを中心とするライフデザイン事業を手掛けています。
東シナ海ルートの「沖縄~九州海底ケーブル」が竣工し、2021年3月期には収益貢献する予定です。
▼業績見通し
2020年3月期営業利益は140億円で前期比7.9%増益となっています。
端末出荷台数は減少しましたが、モバイル事業における契約数の増加、FTTH事業における回線数の増加で、8期連続での増収増益を達成しています。
2021年3月期は140億円で同0.2%増益の見通しです。引き続き、モバイル契約数、FTTHの累計回線数、auでんきの契約件数増加を見込んでいます。
ただ、モバイル回線契約者1人当たりの売上高(ARPA)などの会社前提は保守的との見方もあるようです。
▼ここがポイント
株主還元の一段の強化が評価材料となります。会社側では配当性向40%を新たな配当政策に掲げ、2021年3月期年間配当金は154円で前期比9円増を計画しています。これで20期連続での増配となります。
また、発行済み株式数の2.2%に当たる60万株、20億円を上限とする自社株買いの実施を初めて発表しています。取得株式については消却予定としています。