業績見通しを公表している銘柄に買い安心感が強まる

 7月下旬には第1四半期決算発表が本格化します。通常の第1四半期決算と違って、今回はこのタイミングで通期業績見通しの公表がなされる銘柄が多くなると考えられます。より重要性は高まり、その分、業績見通しが厳しそうな銘柄には一層警戒感が強まりそうです。

 特に、業績見通しの悪化がストレートに減配につながる銘柄も多くなりそうです。このため、少なくても決算発表前までは、すでに業績見通しを公表している銘柄に買い安心感が強まる見込みです。コロナ禍で見通しを示したことは、先行きへの自信の表れとも受け止められます。

今期の増益見通しを発表した高配当銘柄ランキング

 下表は、今期の増益見通しを発表した3月期決算の高配当利回り銘柄となります。

 総じて増益率は極めて低い予想ですが、これは悪環境の中で保守的に対外公表数値を掲げたものと考えられます。あくまで増益見通しに拘った点は評価すべきといえるでしょう。

 ただ、注意したいのは、第1四半期決算時に上方修正するような可能性は低いとみられ、決算発表後は短期的に出尽くし感が強まる可能性もあります。今回はあくまで、決算発表前の選別物色候補と捉えたいところです。

2020年6月30日時点 増益見通し発表の高配当株ランキング

コード 銘柄名 会社予想配当利回り 6月30日終値 時価総額 予想営業増益率
9434 ソフトバンク 6.25 1,375 65,823 0.9
5020 ENEOSホールディングス 5.76 382 12,340 黒転
5021 コスモエネルギー 5.10 1,570 1,331 148.3
4502 武田薬品工業 4.68 3,848 60,659 253.6
1861 熊谷組 4.65 2,580 1,208 0.2
9832 オートバックスセブン 4.42 1,358 1,141 0.2
9436 沖縄セルラー電話 3.73 4,125 1,128 0.2
配当利回り平均(%) 4.94
注:配当利回り、予想営業増益率の単位は%、時価総額の単位は億円、株価の単位は円。

銘柄選定の要件

(1)    予想配当利回りが3.5%以上(2020年6月30日終値ベース)
(2)    時価総額が1,000億円以上(同)
(3)    3月期本決算
(4)    2021年3月期営業利益が増益予想