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近年、気候変動による自然災害や食糧問題が頻発しており、貧困、飢餓、地球環境などの社会的な課題に対する認識が強まっています。そのような中、リスクに配慮した長期運用をおこないつつ、社会的課題の解決にもつながる『ESG投資』は、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みと合わせて注目が高まっており、足元、各国において投資額が拡大しています。
【ポイント1】注目が高まる『ESG投資』とは
『ESG投資』は従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)といった非財務面の要素も考慮した投資です。環境や社会に配慮した経営を行い、企業統治に優れた投資先を選別することによって、潜在的なリスクを排除し、長期的な収益確保を目指します。
『ESG投資』は、国連がPRI(責任投資原則)を提唱した2006年以降、欧米を中心に拡大し、日本においてもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がPRIに署名した2015年以降、拡大してきました。
社会的課題であるSDGs(持続可能な開発目標=Sustainable Development Goals)の達成に向けた取り組みが、社会・企業の使命となる中、その達成プロセスとなる『ESG投資』への注目が高まっています。
【ポイント2】各国で拡大する『ESG投資』
米国に本社を置く金融商品の調査会社であるEPFRグローバルによると、2019年以降、ESG株式ファンドへの資金流入が加速しており、足元では1,300億ドルを超えてきています。
2018年下期から2019年上期にかけては欧州ファンドへの資金流入が目立っていましたが、最近では米国ファンドへの資金流入が加速しており、足元、280億ドル弱まで増加してきています。日本のESG株式ファンドに対する資金流入額は欧米ファンドに大きく引き離されていますが、足元では増加傾向が強まっています。
【今後の展開】今後も拡大が見込まれる『ESG投資』
SDGs達成に向けた人々・社会の認識の高まりや企業の取り組みの強化によって、投資の世界においても、年々、ESG的な視点が重要となっており、先進国を中心に『ESG投資』への資金流入が加速しています。
世界が共通の危機感を持つこととなった今回のコロナ禍は、この動きをさらに加速させていくと考えられることから、今後、一層『ESG投資』の拡大が見込まれます。