一般的な解説に要注意!「値上がりが期待できる株」の贈与はすべき?

 上場株式を贈与した場合の贈与税の取り扱いについては、メジャーな論点のため、ネットを検索すれば数多く載っています。

 しかしその多くで、上場株式を贈与すべきは「将来株価の値上がりが期待できる株を贈与しましょう」と解説しています。

 確かに一般的な解説としてはそのような書き方になってしまうのですが、筆者から言わせれば「そんな無責任な解説あるか!」という感じです。

 そもそも将来株価が値上がりする株が事前に分かるなら、株式投資が上手くいかず苦労する個人投資家がこんなにたくさん生じるはずはないのです。残念ながら、こうした解説をしている専門家は、自身で株式投資をしていないのでしょう。

 筆者は、将来株価が値上がりする株を事前に予想することは困難だし、不確実性が高いと思っていますから、こんなあいまいなアドバイスはしません。

 株価が大きく売られた後に好決算により株価が急上昇したという、「すでに株価上昇が事実として生じていて」かつ「株価上昇に確固とした根拠がある」場合が最も有利な贈与のタイミングだと思っています。

 ネット証券では上場株式の贈与もやりやすくなっていますから、多額の財産や上場株式をお持ちの方は、公認会計士・税理士などの専門家に相談しながらご自身・ご家族に有利な形で実行されてみてはいかがでしょうか。