20年1-3月期は逆風下で健闘、世界市場でスマホ販売好調

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類

12.80HKD
(5/21現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 小米集団の20年1-3月期決算は、調整後純利益(非GAAP)が前年同期比16%増の24億2,000万元と、BOCIの予想および市場コンセンサス予想をそれぞれ16%、14%上回った。スマートフォンのアップグレードに伴う世界シェアの拡大や、平均販売価格(ASP)の上昇、粗利益率の改善などが背景。BOCIは4-6月期の世界的な不確実性を考慮した上で、20年、21年の利益見通しを据え置きながらも、目標株価を上方修正した。同社株価の先行きに対しては、中立見通しを継続している。

 1-3月期の2桁増益(調整後、非GAAP)を支えたのは、スマートフォンの売上高が12%増の303億元に達したこと。5G対応機種を対象とした積極的なプロモーションが、世界市場におけるシェアの拡大や平均販売価格、粗利益率の上昇を後押しした。

 市場開拓に成功したことで、海外売上高は前年同期比47.8%増の248億元。全体に占める割合は四半期別で過去最高の50.0%を記録した。特に欧州(出荷台数58.3%増)、中南米(236%増)では、現地通信キャリアとの提携が販売増に寄与した。

 米IDCのデータを見ると、世界スマホ市場における同社シェアは、20年1-3月に10.7%(前年同期8.9%)。上位ベンダー5社のうち、1-3月にシェアが拡大したのは同社を含む2社のみだった。また、1台当たり平均販売価格は前年同期比6.9%高の1,035元に達し、粗利益率は8.1%へ4.8ポイント上昇。BOCIは4G機種から5G機種へのアップグレード、特にハイスペックの「Mi10」「Mi10Pro」の投入が寄与したとみる。

 一方、インターネット・サービス部門の収入は1-3月に前年同期比38.6%増の59億元。MAU(月間アクティブユーザー)が期中に2,110万人増加し、ARPU(ユーザー1人当たり月間収入)が9%増の5.95元に上向いたことが増収を支えた。ただ、経営陣がフィンテック関連ビジネスに関して慎重姿勢を取ったことが影響し、粗利益率は57.1%へ10.3ポイントダウンした。

 BOCIは海外向け事業が今後も成長の勢いを維持するとの見方。手の届きやすいスマホの価格設定や現地通信キャリアの販売能力が、IoTやインターネット・サービス商品とのクロスセリングの機会につながるとみている。

 20年1-3月期決算は予想を上触れたが、BOCIは世界市場を取り巻く不透明感を考慮した上で、20-21年の利益見通しを維持。引き続きヒストリカル平均値と同水準のPER(株価収益率)をあてはめた上で、目標株価を引き上げた。

 今後の利益見通しに大きく影響する可能性があるリスク要因は、新型コロナウイルスに起因する4-6月の世界市場の低迷や、グローバル技術サプライチェーンを取り巻く政策リスク。一方、潜在的な支援材料としては、新たな5G対応機種の投入や四半期ごとの出荷統計を挙げている。