チャイナ・ショック、リーマン・ショック後の戻りパターンを比較
ポジティブにしてもネガティブにしても、時間の経過とともに相場は戻りを試していくことになります。いずれは「8×1ライン」を超えて、下落前の株価水準を目指していくわけですが、そこまでの道のりについて過去の状況から考えていきます。
■(図3)「チャイナ・ショック」時の日経平均(週足)とギャン・アングル
まずは「チャイナ・ショック」の時です。
2015年8月に発生した急落がいったん底打ちした後の日経平均は、8×1ラインまであっさりと戻していきましたが、その後に3×1ラインまで大きく反落し、再び8×1ラインを超えていくまでに、半年以上かかり、そのあいだに「ダブル・ボトム(二番底)」をつけています。
続いて「リーマン・ショック」です。
■(図4)「リーマン・ショック」時の日経平均(週足)とギャン・アングル
リーマン・ショックの時は、急落が一服した後に、底値圏でもみ合いながら3カ月を経て4×1ラインに到達しましたが、8×1ラインまで戻すのにさらに5カ月間もかかっています。やはり、そのあいだにダブル・ボトムを形成しています。
両者に共通して言えるのは、「8×1ラインを抜けきるのにかなりの時間を要している」こと、そして「ダブル・ボトムを形成している」ことです。
ただ、異なるのはダブル・ボトムを形成する株価水準とタイミングです。チャイナ・ショックの時は最初の急落から勢いよく反発したものの、ダブル・ボトム自体はさらに一段切り下げたところで形成され、リーマン・ショックの時は最初の急落が止まり、戻りの勢いは出ないものの、ダブル・ボトム自体は急落が止まった株価水準で形成されていきました。
株価の戻りに勢いがある足元の相場は、どちらかというとチャイナ・ショックの時に似ている印象です。必ずしも歴史が繰り返されるわけではありませんが、気に掛けた方が良いのかもしれません。