絶対にやってはいけないのは「もっと下がったとき中断をすること」

 私の個人的投資経験をお話ししますが、リーマン・ショック直前にiDeCo(当時は愛称はなかったですが)をスタートしていた私は、日経平均株価が8,000円台まで下がったときも「いつかは戻る」と積み立て投資を継続しました。世界中に分散投資を行うバランス型ファンドを、ただ自動的に買い付け続けたのです。

 株価を毎日チェックすることも、売買判断を検討することもしませんでした。アベノミクスが2012年からスタートして、株価が大きく上がり始めてもなお、行動パターンを変えることはありませんでした。おかげさまで、大きなリターンを得て、今回の相場がジェットコースターとなっても、積み立て投資を継続できています。

 これからiDeCoやつみたてNISAをスタートする人に申し上げたいのは、「今よりももっと下がったとしても、積み立て投資を中断しない」ということです。

 もしかすると、あなたは積み立て投資をスタートするにあたって、「ここが底だ」と内心考えて、タイミングを図っているのかもしれません。しかし、これまで説明したように、ベストタイミングは分かりません。どれだけ長引くか、どれだけ下がる余地があるかは分からないのです。

 毎月数万円程度の積み立てを続けていたとしたら、ぜひ中断をしないでください。やがて新型コロナウイルスを克服して、社会経済がもう一度成長軌道に乗ることができる、ということを信じることができるなら、ただ分散投資された商品を積み立て継続することがベター(そしてかなりベストに近いベター)な選択肢になるからです。