理由3.日経レバレッジ指数ETFには、配当落ちによる下落の影響がない
2020年3月30日における日経平均レバレッジ・インデックスと日経レバレッジ指数ETFの騰落率のかい離には、実はもう一つ理由があります。※参考:【図1】(2)(3)
3月30日の日経平均は前日比▲1.6%の下落となっていますが、このうち▲0.8%分は配当落ち(約163円)による影響です。日経平均レバレッジ・インデックスは日経平均株価の騰落率の2倍と連動するように設計されていますので、このような配当落ちの影響を受けます。一方、日経レバレッジ指数ETFは日経平均先物で運用されており、6月満期の日経平均先物の価格は3月末の配当落ち後の価格を前提に取引されているため、配当落ちの影響がありません。3月30日の日経レバレッジ指数ETF(1570)と日経平均先物の騰落率(図1の3・4)を見ると、いずれも配当落ちの影響があった日経平均株価、日経平均レバレッジ・インデックスの騰落率(【図1】1・2)と連動していないことが確認できます。
以上の大きく3つの理由から、一日の動きで見た場合でも、日経レバレッジ指数ETF(1570)と日経平均株価の騰落率の2倍(日経平均レバレッジ・インデックス)との間にかい離が発生することがあります。
今回は、日経レバレッジ指数ETF(1570)を例としてご説明しましたが、野村アセットが運用する日経ダブルインバース指数ETF(1357)や日経インバ―ス指数ETF(1571)などのレバレッジ・インバース型ETFでは、基本的に株価指数先物を使用して運用を行っていますので、ETFの商品性の観点では同様に考えることができます。
ちなみに、野村アセットはETFの運用会社として、ETFの基準価額を日々算出、公表していますが、その際使用する株価指数先物の価格は、15時ではなく15時15分の清算価格となっている点にもご留意下さい(これは、取引所価格と基準価額が日々かい離する理由となります)。
最後に、レバレッジ・インバース型ETFは、ポイント1.でご説明したように、中長期では株価指数の±2倍のパフォーマンスを下回る可能性が高い特性を持つことから、一般的に中長期投資には向かず、比較的短期間の市場トレンドを捉える投資や保有株式のヘッジ等に向く金融商品です。商品性をご理解いただいた上でご検討いただければと思います。