現地コード 銘柄名
00670

中国東方航空

(チャイナ・イースタン・エアラインズ)

株価 情報種類

 2.59HKD
(4/2現在)

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19年本決算は18%増益、20年は業績急降下も21年の回復に期待

 中国東方航空の19年12月通期の純利益は、前年比18.3%増の31億9,200万元に達した。旅客輸送能力は同10.4%増加し、旅客ロードファクター(有償座席利用率)は0.2ポイントダウン。旅客イールド(旅客1人に対する1km当たり収入単価)は3.3%縮小した。BOCIは新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、中国の国内線需要が3月に小幅な回復傾向を示したと報告したが、国際線に関しては影響が長引くとの見方。20年には同社の旅客輸送量が前年を30%下回ると想定し、利益見通しを減額修正した。ただ、21年には業績が回復するとの見方。燃料価格が引き続き低水準で推移する見通しから、コストダウン効果も見込む。また、現在株価のフォワードPBR(株価純資産倍率)がわずか0.6倍と、マイナス材料がほぼ反映されたとみられることや、長期のファンダメンタルズが堅調であることなどを指摘。目標株価を引き下げつつも、現在株価のPBRがヒストリカルな低水準にある点に言及し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 19年本決算を見ると、輸送収入は前年比5.8%増の1,140億元。有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)は10.1%増だった。全体の旅客イールドは前年を3.3%下回る0.552元。国内線、国際線でそれぞれ3.7%、2.5%低下した。一方、北海ブレント原油の19年の平均価格が前年比10.5%安の1バレル当たり64米ドルにとどまったことで、燃油コストの増加率はわずか1.5%に抑制され、営業利益は8.3%増。人民元の対ドル相場が元高方向に安定し、為替差損が前年比55%減の9億9,000万元に縮小したことも2桁増益に寄与した。

 国内線は3月半ば時点で、早くも回復の兆しを見せたが、国際線への打撃は長期化する見込み。同社は損失の抑制に向け、航空機の待機や1-3月に予定していた機体受け取り時期の延期、政府・銀行への支援要請といったあらゆる手段を講じている。当局側も支援に動き、すでに航空会社からの「民航発展基金」の徴収を停止(19年の支払額は18億元)。さらに空港使用料の値下げを実施した。BOCIは中国の主要国有企業の1社である同社には、政府によるさらに手厚い救済策が及ぶとの見方。キャッシュポジションの多寡は問題にならないとした。全体的には、20年は新型コロナの影響で最悪の年となるものの、感染収束に伴い、21年には業績回復が期待できるとしている。

 BOCIは20-21年の予想ROE(株主資本利益率)の引き下げを反映させる形で、目標株価算出ベースのフォワードPBRを1.0倍から0.85倍に下方修正(21年の予想ROEは8.0%)。これに伴い、H株の目標株価を引き下げた。AH価格差をベースに、A株の目標株価も下方修正したが、H株、A株株価の先行きに対し、いずれも強気見通しを継続している。