米国株式の「4月のアノマリー(季節性)」は再現するか
米国市場では、特定の時期に一定の傾向が鮮明となった季節性(サイクル)を「アノマリー」と呼んでいます。参考情報ですが、近年注目されている「4月の米国株は堅調となりやすい」とのジンクスをご紹介します。
図表2は、2006年から2019年までの14年間の4月だけの米ダウ平均(ダウ工業株30種株価平均)騰落率を記録したものです。リーマン・ショック(金融危機)時と前後を含めた2007年、2008年、2009年の4月もダウ平均は上昇しました(14年平均では+2.4%)。世界のトレーダー、ファンドマネジャー、AI(市場の傾向をコンピューターに記憶させて活用する投資手法)など専門家なら認識している長期市場実績と言えるでしょう。
図表2:米国市場の「4月のアノマリー(季節性)」に注目
「4月の米国株は堅調」とのアノマリーは、その要因が特定されているわけではありません。
ただ、米国における「税還付の効果」が大きかったとの見方が有力です。特に昨年(2019年)はS&P500指数が暦年で約28.9%上昇した「米国株高」でしたので、税還付(払い過ぎた税金分が戻ってくる)額も大きいとみられます。
こうした還付金の一部が、株価大幅下落を好機とみなし4月に市場に流入する可能性はあります。アノマリーは「過去の傾向」であり、将来の投資成果を保証するものではありません。
ただ、昨年は「年末高」の季節性(アノマリー)が現実化しました。景気後退を相当織り込む値幅調整からの自律反発を含め、ダウ平均が「15年連続で4月に上昇」するなら、日本株の下支え要因になると見込めます。