業績懸念の小さいセクターにより安心感

 3月末には3月期決算企業の配当権利落ちを迎えます。足元の株価急落によって、今年は配当利回り妙味が一段と高まっているといえます。例年以上に高配当銘柄には、権利取りの動きが活発化してくる可能性が高いでしょう。

 短期的な業績悪化による減配などはリスク要因となりますが、新型コロナウイルス感染の広がりを要因とした業績悪化は一過性とも捉えられるため、多くの銘柄は配当を維持するものとみられます。

 国内製造業にとって、サプライチェーン問題がどういった経路で悪影響が表面化するのか、詳細には整理しにくく、幅広い産業界でネガティブなインパクトを予想しておく必要もあるでしょう。

 業績下方修正が一時的にでもショック安となるリスクを考慮するならば、現在から4~5月の本決算発表までの期間は、相対的に影響が限定的であろうセクターの銘柄に関心を高めるべきでしょう。

 今回のスクリーニングでは、建設、不動産、電力・ガス、医薬品、情報・通信セクターに注目します。

 なお、感染者数拡大によるもう一段の株価調整リスクも意識すれば、信用買い残の整理など需給懸念が強まりやすい個人投資家主導の中小型株より、大型株が相対的に優位でしょう。