新型コロナウイルス・ショックの影響は?

 優待人気上位には、小売り・サービス・航空業の銘柄が多数入っています。小売り・サービス・航空業と言うと、今まさに新型コロナウイルス・ショックでダメージを受け、業績が急速に悪化し、株価の下落率が相対的に高くなっている業種です。

 新型コロナ感染防止による消費の落ち込みが長期化すると、今期(2020年3月期)の業績予想が、さらに下方修正されるリスクもあります。

 私は、新型コロナの影響は、年後半には低下すると予想しています。治療法・予防法や簡単な検査方法が明らかになるにつれ、新規感染者が減り、経済活動は正常化していくと予想しています。

 風評被害まで考えると、観光産業のダメージは長引くかもしれませんが、それでも長い目で見れば、観光ブームが復活し、業績は回復に向かうと予想しています。したがって、今、新型コロナ・ショックで急落している小売り・サービス・航空株の中には、長期投資で買い場を迎えている銘柄が多いと考えています。

 ANA HD、日本航空、三越伊勢丹HD、オリエンタルランドなどは、新型コロナ・ショックで業績にダメージが及んでいると考えられます。

 ANA HD、日本航空は、短期的に業績が悪化しても、中長期で業績回復を見込んでいるので、投資をしていって良いと私は判断しています。三越伊勢丹HDは、業績低迷が長期化するリスクがあるので、投資は慎重に考えた方が良いと思います。オリエンタルランドは、コロナ対策で短期的に業績が悪化しますが、中長期で回復を見込みます。ただし、株価バリュエーションが高い(PERなどで割安感がない)ので、積極的に投資したいとは思いません。

 業績を見るとき、もう1つ見るべき重要ポイントがあります。営業利益率の高さを見ることです。競争力が強く、収益基盤が堅固な銘柄は、一般的に営業利益率が高くなります。上の表で見ると、オリックス、日本航空、KDDI、オリエンタルランドは、営業利益率が高く、収益の安定性を評価できます。