今週の見通し

 先週、ジャンルを横断し、主要銘柄が幅広く下落したのは、やはり、新型コロナウイルスの感染が、各種市場の中心地である欧米で、本格的に拡大しはじめたことが主因だと考えられます。

 米国で感染者数の増加が目立ち始めたこと、イタリアで死亡者が出たこと、欧州の国々において感染者を抱える国の数が増加しはじめたことなどが、具体的な新型コロナウイルスの欧米での感染拡大を示す事例です。

 先週、このような事例が出現し、欧米で不安が急速に拡大したため、欧米の各種市場が軒並み下落したわけです。今週も引き続き、新型コロナウイルスの欧米での感染状況が、各種市場の変動要因になると筆者は考えています。

 中国国内における感染者や死亡者の増加数(前日比)は、2月初旬に比べれば鈍化傾向にあり、新型コロナウイルスという大きな懸念の中にも、実は、懸念が縮小している要素が存在しています。

 しかし、足元、世界全体でみれば、欧米での感染拡大を悲観するムードが支配的であるため、各種市場の下落を止めるためには、まずは、欧米での感染拡大が止まることが必要だと考えられます。

 また、FRB(米連邦準備制度理事会)が、新型コロナウイルス拡大による景気後退を食い止めるべく金利の引き下げ(利下げ)を実施することを示唆するなど、政策の面で市場を支え、新型コロナウイルス拡大の懸念を相殺しようとする試みは出始めていますが、今回の世界的な懸念を払しょくするためには、他のプラス要素によって相殺することではなく、やはり、懸念の根源である新型コロナウイルスの拡大が終息することが必要なのかもしれません。

 発祥地が中国であること、起源が新型ウイルスであること、症状が肺炎であることなど、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)と複数の共通点を持つ、2002年11月に発見され30以上の国と地域に拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)が終息したのは、翌年の夏(2003年7月)でした。

 類似する例を参考に考えれば、新型コロナウイルスと人類の戦いは、少なくともあと数カ月間、続く可能性があります。この間の実体経済へのマイナス影響は不可避と考えられ、向こう数カ月間、新型コロナウイルスによる影響を、各種経済指標が示すデータで確認をしながら、新型コロナウイルスが終息するのを待つことになるのだと思います。

 今週は各国の2月の景況感を示す統計が相次いで発表されます。2月は中国で新型コロナウイルスの爆発的な感染が起き、欧米を含む世界全体に波及していった月でした。この2月の、新型コロナウイルスが世界に及ぼしたマイナスの影響の一端を、景況感のデータを通じて知ることができます。

 3月2日(月)に、中国(Caixin版)ユーロ圏および欧州の主要国、米国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が、3月4日(水)に、中国(Caixin版)ユーロ圏および欧州の主要国、米国のサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表されます。

 その他、3月6日(金)には米国、フランス、ドイツなどの1月の貿易収支、そして同日、米国の2月の雇用統計が発表されます。

 まずは、新型コロナウイルスの世界的な拡大が始まった2月の、各国の景況感が具体的にどのようなものだったのかに、注目です。

>>経済指標カレンダーはこちら

国内株式
海外株式・ETF
FX
金・プラチナ取引
暗号資産取引「楽天ウォレット」