為替DI:円安終了?投資家の円高見通し強まる!

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスの時は「円安」見通し、マイナスの時は「円高」見通しで、プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強いことを示しています。

「2月のドル/円は円安、円高のどちらへ動くと思いますか?」

 楽天証券が先月末に実施したアンケートにご回答頂いた4,240名のうち、最も多かったのは「円高に動く」という結果になりました。1,752名(約41.3%)が円高を予想する一方で、最も少なかったのは「円安に動く」の1,078名(約25.4%)。「中立」は1,410名(約33.3%)でした。

「円高」と「中立」を合わせると全体の約75%を占めました。2月のドル/円は「横ばいか、動くとすれば円高」というのが、投資家の代表的な相場観ということです。

 DI(円安見通しから円高見通しを引いたもの)は▲15.9で昨年9月以来のマイナスとなりました。これは投資家の相場見通しが円高方向へ大きく変化したことを示しています。1月末からニュースの中心になっている新型コロナウイルスの感染拡大が影響していることは確かです。

 DIの円高見通しは強まったのですが、1月が円高相場だったかといえばそうではなく、ドル/円は2019年5月以来の110円台までドル高/円安が進んでいます。どちらかといえば円安相場だったのですが、月末からの新型コロナウイルス感染拡大のニュースが投資家の相場観に強く影響したようです。この問題が落ち着くにしたがって、ドル/円が上昇に転じる可能性も高くなるでしょうが、投資家の多くはドル/円の天井を110円辺りで精一杯、111円を超えるような円安は期待していないようです。

 2月のドル/円相場は、108.76円がピボット(転換点)になります。そして、この水準から離れていくほど、円高あるいは円安の勢力が強まっていくと考えます。

 円高方向は、107.65円から106.13円辺りまでをレンジの下限と想定して、押し目買いスタンス。しかし、このレンジを抜け出して105.74円に向けて下がっていくなら買い下がりは見直し。 104.60円を下に抜けるなら、中期的円高トレンドに入ったシグナルとして、その方向についていくことを検討します。

 円安方向は、109.88円から1月高値110.29円、111.40円辺りまでをレンジの上限と想定して戻り売りスタンス。しかし112円を超えさらに112.52円に向けて上昇するならば、中期的円安トレンドが強まったシグナルとして、その方向についていくことを検討します。

112.52円 : 第3レジスタンス
112.40円 : 2019年 高値(2019年04月24日)
111.69円 : 05月高値(05月03日)
111.40円 : 第2レジスタンス
110.29円 : 01月 高値(01月17日)
109.88円 : 第1レジスタンス
108.97円 : 01月 平均値

108.76円 : ピボット

108.20円 : 2019年 平均値
107.65円 : 01月 安値(01月08日)
107.24円 : 第1サポート
106.48円 : 2019年 10月 安値(2019年10月03日)
106.13円 : 第2サポート
105.74円 : 2019年 09月 安値(2019年09月03日)
104.60円 : 第3サポート
104.01円 : 2019年 安値(2019年01月03日)