確定申告の準備、皆さんは進んでいますか? 税理士としては「またこの季節が来たか」と憂鬱(ゆううつ)になりますが、自身で確定申告をする方も、頭が痛くなってしまうのではないでしょうか。

確定申告はそもそも「面倒くさい」

 そもそも確定申告は面倒くさいものです。筆者自身が確定申告を行う所得の種類を挙げてみても、給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得、譲渡所得、雑所得がありますし、ふるさと納税(寄付金控除)や生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、社会保険料控除など、所得控除も数多くあります。こうして書いているだけでこれから必要な作業にうんざりしてしまうほどです。

 とはいえ、少しでも面倒な作業からは解放されたいもの。そこで、確定申告の作業を少しでも簡略化する方法を考えてみたいと思います。

「源泉徴収ありの特定口座」かつ配当金は「株式数比例配分方式」にする

 まず簡単にできることは、証券口座を作るときの口座です。

 手間を考えると、筆者としては源泉徴収ありの特定口座を勧めます。一般口座で売買した場合、売買記録を自分でつけ、損益も正確に計算しなければなりません。デイトレーダーなど売買の回数が多い方であれば、発狂しかねないレベルの面倒くささです。

 源泉徴収なしの特定口座なら、損益の計算は証券会社にしてもらえますが、確定申告は必要です。確定申告を不要にしたいのであれば、源泉徴収ありの特定口座にすべきです。

 さらに、配当金の受取方法を株式数比例配分方式にすることで、同一年中の株式の譲渡損と配当金を特定口座内で損益通算してくれるため、確定申告をしなくても良くなる可能性が高まります。