3.アルファベット(GOOGL)

 デジタル市場拡大の恩恵を受ける企業としてまず考えられるのが、デジタル広告のリーディングカンパニーであるアルファベット(GOOGL)です。

 デジタル広告といっても様々な手法がありますが、同社は圧倒的なシェアを持つ検索エンジンを通じた検索広告と、動画投稿の一大プラットフォームであるYouTubeでビデオ広告を展開しています。YouTubeのログインユーザー数は月間20億人以上に上ります。

 同社で注目したいのは、それぞれのサービスですでにローカル化が進んでいることです。検索エンジンはすでに数多くの言語に対応し、YouTubeでは各国にあわせたローカルバージョンが100以上あります。将来的にも、人口や所得の増加が期待できる新興国の人々が、同社のローカルサービスを積極的に使う可能性は高いとみられます。

4.アドビ(ADBE)

 次に注目したい企業がアドビ(ADBE)です。

 アドビは世界的なソフトウェアメーカーで、「Photoshop」はグラフィックデザイン分野のソフトウェアとして高いシェアを有している他、「PDF」の作成ソフト等も幅広く利用されています。同社にはデジタルエクスペリエンス事業という収益の柱もあります。2019年11月期ベースでは、このデジタルエクスペリエンス事業が売上高の約29%を占めています。

 同事業では、デジタル広告のマーケティングサポート等を行っています。具体的には、オンラインのページにアクセスした訪問者の分析や、キャンペーンの効果の測定をしています。広告枠のプラットフォームも展開していて、ターゲットがスマホを使っていても、パソコンを使っていても、ターゲットの興味に沿った内容の広告を一貫して流すサービスを提供しています。

 この事業の強みは、サービスの「中立性」にあります。ターゲットや広告分析のサービスはフェイスブック(FB)など様々な企業が行っていますが、アドビの場合、基本的に自社が広告を掲載して収入を得るモデルではありません。その分、広告主である企業側は分析結果に信頼を置きやすいと考えられます。