為替変動の影響について
リスク性資産の中で、もうひとつ大事な点があります。それは、為替変動の影響の有無です。
私たちは、日本で生活しているため、「円」の中で暮らし、海外ではそれぞれの通貨が使われています。お金は動いているため、円との関係性(レート)は日々変わります。例えば、株式とREITは、国内株式と海外株式、国内REITと海外REITがあります。国内株式や国内REITは、国内の投資対象ですから、為替変動の影響は受けません。一方、海外株式や海外REITは、海外の投資対象ですから、為替変動の影響を受けます。
NYダウという米国の代表的な株価指数がありますが、これは米ドル建ての株価指数です。私たちが日本から投資した場合は、「NYダウ(米ドル建て)の価格変動」×「米ドル円の為替変動」という二つの価格変動を負います。このように、海外株式、海外REITの円ベースの価格変動は、「投資対象の価格変動(現地通貨建て)」×「為替変動」という要素から構成されます。
さらに、商品についても、投資対象となる商品のほとんどは、米ドル建てであるため、同じように、「商品の価格変動(米ドル建て)」×「米ドル円の為替変動」という形で円ベースの価格変動は起きることになります。つまり、海外株式、海外REIT、商品は、投資対象そのものの価格変動、為替変動という二つのハイリスク・ハイリターンの要素を持っていると言えます。
ただ海外株式、海外REIT、商品について、為替変動を避けながら投資する手段があります。為替ヘッジという手段です。ここで為替ヘッジの仕組みについては、説明を割愛しますが、コストを支払うことで、為替変動をなくすことができます。
海外株式、海外REIT、商品も「為替変動」の影響をなくし、「投資対象そのものの価格変動(現地通貨建て)」だけにすることができるわけです。ただし、「為替変動」がなくても、価格変動は小さくはなく、ハイリスク・ハイリターンですので、「リスク性資産」であることに変わりはありません。
これらをまとめると、以下のようになります。
次回は、「安全資産」の投資対象について、説明したいと思います。