10万円で株式投資デビュー

 10万円になれば株式投資も考えられます。将来を見据えて株式を持ち続ける場合は、長い目で見て、株価が上昇していくような企業の株を選ぶ必要があります。

 そのためには企業の業績や、業界の動向などを分析して選ぶ必要がありますが、なかなか面倒くさい。

 そんなときには、証券会社が提供している機能を活用しましょう。楽天証券ではスーパースクリーナーという機能があり、3,783社の企業(ETF・REITを除く)から、売上高が拡大している企業や利益率が高い企業などを、ふるい分けて選ぶことができます。各社同じようなツールがありますが、楽天証券の場合を例にお伝えします。
※以下2019年12月6日現在

※楽天証券スーパースクリーナーの使い方

投資初心者の銘柄の探し方

1.自分が知っている企業

「知らない企業には投資しない」というのは投資の鉄則です。それでは、3,783社からどのようにして探せばいいのでしょうか。

 探し方は、スーパースクリーナーのページ左側にある規模から大型株100社を選択。

大型株を選択(中・小型を外す)

 次に、指数採用銘柄から日経225を選択。すると、日経平均株価に採用されている225社のうち、大型株に分類される75社が表示されます。

 

2.企業の業績

 企業の業績はいちばん重要な情報です。スーパースクリーナーの検索の中で気になる「企業名」を押し、業績を押すと、企業の業績が確認できます。

 まず、その企業の売上高が毎年伸びていれば、事業が拡大していると判断できます。

 次に営業利益の推移を見ます。最初に確認した売上高が伸び続けていても、営業利益の伸びがない場合や赤字の場合は、事業がうまくいっていない可能性があります。

3.指標

 良い企業か、投資すべきかについては指標で確認ができます。株は安いときに買いたいので、業績がいいのに株価が低い状態の企業、いわゆる「割安株」を探してみます。

 PER(株価収益率)という指標を使って、同業他社と比較します。数値が低ければ、割安である可能性があります。

 ただし、PERだけで探すのは危険です。例えば、自動車業界で見てみましょう。日産自動車(7201)、トヨタ自動車(7203)、本田技研工業(7267)、スズキ(7269)、SUBARU(7270)の5社の各PERは8.32倍、11.74倍、8.86倍、12.29倍、14.87倍。

 この中では日産自動車が最も割安に見えますが、業績が良いのに割安なのか、逆に悪化している業績を反映して株価も低いのかどうかを確認するために、PBR(株価純資産倍率)も確認します。

 PBRが1倍を下回ると理論上は割安ですが、PBRは日産0.5倍、トヨタ1.12倍、本田0.65倍、スズキ1.61倍、SUBARU1.31倍となり、PBRでも日産自動車が最も割安となっています。

「2つの指標が割安なら、買おう」と考える前に、もう少し待ってください。

 次に、株価の動きを確認しましょう。チャートというボタンを押すと、2018年から日産自動車の株価は下落傾向にあり、業績も過去3年間、ずっと売上高も営業利益も減り続けています。

 さらに四季報というボタンを押すと、そこには解説記事という項目があります。「世界販売554万台(0.4%増)計画だが下振れ懸念。主力の北米で値引き抑制進めて数量減が想定以上。欧州と日本の立ち直りも遠い。次世代技術の開発費増も重荷。前号より営業減益幅拡大。減配。2023年3月期までに生産ライン停止や工場閉鎖含めて生産能力を1割縮小。14拠点で1万2,500人削減」と日産自動車について分析されています。

 これまでの情報をまとめると、業績不安から株価が下がったことで、結果的に割安になっているだけの可能性があります。そうなると、指標で見て割安だから投資しようということにはなりませんね。

 このように1つの情報から投資する企業を選ぶのではなく、指標、業績、チャート、四季報など複数の情報を参考にすることが大事だと分かります。