第二の悩み:来月以降も積立投資を続けるべきか

 値上がり局面がもしまだ続いたとしたら、来月以降の積立投資を継続するべきか、という悩みがあります。

 まず制度によって投資中断の選択肢は異なります。つみたてNISAであれば投資信託やETF(上場投資信託)しか購入できないため「投資をしない積立」が選択できません。つまり停止をするしかありません。またiDeCoの場合は運用商品群に投資信託以外の選択肢、銀行預金などがあるので、掛金拠出は続けるが投資に回さない、という選択ができます。

 しかし、あなたが長期積立投資を志向しているのであれば、あまり何も考えず「そのまま続ける」でいいと思います。変更した投資方針はいつか「もう一度変更」しなければいけません。少額から長期積立を行う人にとっては「もう一度変更しない」まま、ずるずる時間をロスする可能性が高いと思います。

 また投資信託ベースであれば「定額投資」を行うことになっていますから、株価上昇時期に「積立額も上昇する」という心配はありません。これは個別株やETFなどの「口数」で買う投資より便利な要素です。

 かつて日経平均株価が購入一単位となっているETFを、毎月1口手作業で購入することをやっていたのですが、「毎月8,000~9,000円」は続けられても「毎月1万5,000~1万7,000円」になってきたとき続けるのが心理的に苦痛になって中断してしまったことがあります。

 同時に積み立てていたiDeCo(当時はiDeCoという名前はありませんでしたが)は、自動引き落としされるがゆえにリーマン・ショック時もアベノミクス時も、機械的に掛金を積み増すことができました。私の個人的感覚では、「もうそろそろ天井だろう」と思うことが何度かありましたが、結果はそれより株価上昇が強く続きました。予断を加えないほうが正解でした。

 積立投資をする人は、株価が上がっているときをあまり気にせず「元本の追加拠出」を粛々(しゅくしゅく)と行っていけばいいでしょう。