第一の悩み:含み益を抱えた積立資金はどうするか

 まず、「上がっているのだから今のうちに売るべきか」という問題です。

 基本的に「株価の上下」ではなく「自分が売る必要があるか」の判断をするのが長期積立投資家のスタンスとしては効果的です。

 もしあなたが「上がったから売る」と判断した場合、資金ニーズ(例えば老後資金)はまだ先であれば「下がったときにもう一度買い直す」という判断をしなければならなくなります。そうしなければ、それ以降はどんな利益も増えなくなります。

 あるいは、売ったあとにさらに値上がりすると、あなたは自分の判断ミスを悔やむことになりますし、諦めてもう一度買い付けし直す判断も、決断しにくくなります。本当は値上がりが続くなら、もう一度エントリーするべきですが、一度売ったものがより値上がりしたときの再エントリーは決断が難しいのです。

 あなたがもう50歳代後半や60歳代であって、自分の資金ニーズ(ここでは老後資金)をにらんで売り時と判断するなら売ればいいでしょう。しかし、まだ30歳代~50歳代前半である場合は、自分のゴールの頃に高値を判断すればいいので、短期的に値下がりがあろうとそのまま持ち続けてもいいのです。

 また、若い人が売る決断をするとしても「一部売る」にとどめておいた方がいいでしょう。