韓国がGSOMIA破棄を撤回、WTO提訴中断も発表
韓国大統領府は22日、11月23日に失効期限が迫っていたGSOMIA(ジーソミア)(日本との軍事情報包括保護協定)を破棄せず、継続すると発表しました。これまで破棄を宣言していましたが、土壇場で回避しました。また、日本がとった半導体材料など3品目の韓国向け輸出規制強化に対するWTO(世界貿易機構)への提訴手続きを停止するとも、発表しました。
これを受けて、日韓で貿易交渉を再開すること、12月に日韓首脳会談を開催する方向で、調整が始まりました。日韓関係がさらに悪化するのを、なんとか食い止めた形です。 今回、韓国が日本に対する強硬路線を変更した裏には、米国の強い圧力があったと言われています。
日韓関係の悪化は、韓国向け輸出の大きい日本企業や、韓国からの訪日観光客からメリットを受けていた日本企業の業績に、悪影響を及ぼし始めていました。さらなる悪化が避けられたことはポジティブです。ただし、これで直ちに、日韓が改善に向かうとは考えられません。日韓には、解決のメドがたたない問題が山積しているからです。今後の交渉の行方が注目されます。
参考:訪日外国人観光客数、上位8カ国:2019年10月
「人権法案」の行方に注目
今週の日経平均は、人権法案にトランプ大統領が署名するかしないかに関して、出てくるニュースに神経質に反応する展開と思われます。大統領が署名し、中国が報復する展開が予想されると、下げが大きくなる可能性があります。何らかの方法で、米中部分合意を年内に実現する方向で話しが進めば、日経平均はさらに高値を取っていくことになると、考えます。
なお、毎週述べているように、いずれの場合でも、日本株は割安で長期的に「買い場」との判断は変わりません。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
2019年11月20日:日経平均先物「踏み上げ」いつまで?裁定売り残はピークから1兆円減少
2019年11月18日:世界株高!NYダウは最高値、日本株も堅調。来年の景気回復視野に
2019年10月28日:2019年年末の日経平均予想!2万3,000~2万5,000円を維持:第4次産業革命さらに進む