トランプ大統領は「人権法案」署名を躊躇

 人権法案をめぐって米中対立が先鋭化する不安が出た割には、先週の日経平均・NYダウともに大きく下げることはなく、しっかりしていたとの見方もできます。トランプ大統領が、人権法案に署名することを明言していないからです。

 トランプ大統領は「我々は香港を支持しなければならないが、私は習近平国家主席も支持している」と発言し、「米中合意がきわめて近い」との見方を維持しました。米上下院で与野党問わず圧倒的多数の賛成で可決された人権法案にトランプ大統領が署名しなければ、大統領への批判が高まり、議会との溝が深まる可能性があります。それでも、トランプ大統領は、米中対立を先鋭化させないことを優先する可能性もあります。

 トランプ大統領が米中対立を緩和する道を残していることに、株式市場は期待している形です。