日経平均先物の買戻し圧力は今後、徐々に低下へ

 現在の裁定残高(11月8日時点:売り残約9,500億円、買い残約5,000億円)から、何が読み取れるでしょうか?

 先物の売り建ては含み損を抱えていて、買い建ては含み益を抱えている状態と考えられます。まだ、売り残の方が大きいですので、しばらく、先物の買戻しが続くと考えられます。ただし、売り残はピークの2.1兆円から既に1兆円以上、減少していますので、先物の買戻し圧力は、今後、徐々に低下していくと考えられます。

 裁定残高からわかることは、それだけです。日経平均の動きは、短期的には需給(踏み上げなど)によって動きますが、最終的にはファンダメンタルズ(景気・企業業績)によって決まります。

 先物空売りの買戻しが一巡したあとは、米中貿易交渉の行方、来年の景気見通しにより、新規の先物買いが増えるような環境になるかどうかが、鍵を握ると考えられます。
 

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