裁定買い残は低水準、投機筋の買い建てはほとんど整理された状況と考えられる

 日経平均先物でトレーディングする際、裁定売り残高と、裁定買い残高の変化を両方見ておく必要があります。そこに投機筋の先物ポジションの変化が表れているからです。
詳しい説明は割愛しますが、裁定買い残の変化に、投機筋(主に外国人)の日経平均先物「買い建て」の変化が表れています。買い建てが増えると裁定買い残が増え、買い建てが減ると裁定買い残が減ります。

日経平均と裁定買い残の推移:2018年1月4日~2019年11月19日(裁定買い残は2019年11月8日まで)

出所:東京証券取引所データに基づき楽天証券経済研究所が作成

 上のグラフを見ていただくとわかりますが、裁定買い残高は、2018年から2019月にかけて急減しています。2018年初に3兆円以上あった裁定買い残は、19年11月8日には、約5,000億円まで低下しています。投機筋の先物買いポジションはほとんど整理された状態と推定されます。

 11月8日時点で、裁定売り残は約9,500億円、裁定買い残は約5,000億円です。まだ、売り残の方が大きい状況です。