取引注文の「執行条件」について

 執行条件とは、銘柄・限月・売り買いの区別・枚数などと同じ、発注する際に決める条件の1つで、その注文をどのように執行するのか(価格を指定した上で注文を執行させるのか、市場の成行きに任せて価格を指定せずに注文を執行するのかなど)を指定するものです。

 今回は、国内商品先物専用取引ツール「マーケットスピードCX」でご利用いただける執行条件である指値(さしね)、成行(なりゆき)・STOP(ストップ)・引指(ひけさし)・引成(ひけなり)の4つをご紹介します。

図:マーケットスピードCXの注文画面(シングル注文)

出所:楽天証券の商品先物取引ツール「マーケットスピードCX」より

 

1.指値(さしね)

 価格を指定して発注したいときに使います。「4,600円まで下がってきたら新規建てしよう」「4,700円まで上がったら利益を確定しよう」という場合に用います。発注時に設定する有効期間までに価格が到達しなかった場合、その指値注文は不成立となります。

 また、価格を“限定するわけではない”ため、発注したときの市場の状況によっては、指定した価格よりも有利な価格(買いの指値注文の場合は指定した値段よりも安い価格、売りの指値注文の場合は指定した値段よりも高い価格)で約定することがあります。不利な価格で約定することはありません。

 

2.成行(なりゆき)

 価格を指定せずに「今すぐ買いたい・売りたい」、あるいは特に値段にこだわりがなく「とりあえず買いたい・売りたい」と判断したときに使います。

 価格が急変しているときに素早く新規建てあるいは利益確定・損切りをするなど、価格よりも約定を優先する場合です。また、ゴールド100といった決済までの期限がない銘柄で長期投資を前提として建玉する場合(特に価格にこだわらず、建玉することを優先する場合)でも用いられます。

 成行注文は、市場流動性が低く対当する注文がない場合(買い注文を出したが市場に売り注文が出ていない、売り注文を出したが市場に買い注文が出ていない場合)、キャンセルされます。

 

3.STOP(ストップ)

 主に損切りを行うときに使います。また、相場がこう着状態(レンジ相場)にあるときに、価格がレンジを上に放れた場合、その流れに追随するように「新規で買う」、逆にレンジを下抜けた場合に流れに乗って「新規で売る」ときにも使います。

 STOP注文を使うのは、新規注文の場合は「相場の流れに追随して買いたい・売りたいとき」、決済注文の場合は「損切り注文をしたいとき」とすることができます。指定したい価格は「トリガー」の欄に入力します。

※STOP注文をご利用の際は必ず以下のページの「STOP注文」にある“注意点”をご覧ください。

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/commodity/rule/order-rule-03.html

 

4.引指(ひけさし)・引成(ひけなり)

 夜間あるいは日中の立会い終了時の「引板合わせ」(※)でのみ執行する注文です。「指値」で発注するものが「引指(ひけさし)」、「成行」で発注するものが「引成(ひけなり)」です。いずれも夜間や日中の立会時間中に執行されることはありません。

※「引け板合わせ」はこちらをご覧ください。第12回「取引時間(2)」

https://media.rakuten-sec.net/articles/-/1620

 

注文の優先順位について

・価格優先

「買いの指値注文」において、指値価格が高い注文が安い注文より優先されます。

「売りの指値注文」において、指値価格が安い注文が高い注文より優先されます。

・時間優先

同じ指値値段・同じ売り買いの指値注文(価格の面では同じ優先順位)は、先に受付けられた注文が遅く受付けられた注文より優先されます。

・執行条件の違いによる優劣

成行注文は他の注文より優先されます。

 

[関連情報]

各執行条件と各種約定条件の組み合わせについては以下をご参照ください。

第14回「取引時の約定条件」って何があるの?

https://media.rakuten-sec.net/articles/-/2146