初心者は「S&P500」連動のインデックスファンドから始めるのも手

──とはいえ、いきなり米国株に手を出すのは不安という人も少なくないと思います。そういう人はどうすればよいでしょう?

「投資自体、まったく初めて」という人は、米国株のインデックスファンドを購入してみてはどうでしょうか。米国の株式指標──日本でいう「東証株価指数(TOPIX)」や「日経平均株価」のようなものですが──の1つに「S&P500種指数」というものがあります。米国の主要大型株500銘柄で構成される指標ですが、これに連動するインデックスファンドがいいと思います。個別株よりもはるかに手軽に買えます。

──今なら「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など非課税制度を利用して積み立て投資を行うのがいいかもしれませんね。

 はい、それらは絶対に利用すべきです。

──最近は米国株だけでなく、ほかの先進国や新興国など世界中のあらゆる株式に投資するインデックスファンドも人気を集めています。これについてはどう思われますか?

漫画で始まる読みやすい著書『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』内には、赤裸々なネットスラングや痛烈な文言も。ホンネベースの主張は好き・嫌い分かれるところだが、読了後は、米国株の事をきっと好きになれるはず。
画像はバフェット太郎さん著書『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』より

 いいと思いますよ。例えば2000年代に新興国株が米国株を大きくアウトパフォームしたように、10~20年程度の特定の期間だけを切り取れば、新興国株のパフォーマンスが米国株を上回るということもあります。そうした時期は米国株だけに投資するよりも世界株に投資したほうが安定したパフォーマンスを期待できるわけですし。とはいえ、30年以上の長期的な資産形成を前提とするならば、米国株一本のほうが賢明かなと、僕は思います。長期的に見ると米国株のパフォーマンスは、新興国株や欧州株、日本株のそれを上回る傾向にありますから。

──やっぱり米国株が最強だと思われるんですね。

 はい。僕はそう確信しています。

──太郎さんは「年平均5~7%増やせればいい」とおっしゃっていましたよね。「S&P500種指数」連動のインデックスファンドって、その数字には及ばないまでも、それに近いパフォーマンスを出しているのではないですか?

 その通りです。だから、僕自身、「S&P500種指数」連動のインデックスファンドを検討した時期もあります。

──でも、検討だけで終わったのですか?

 ちょうどその頃、ジェレミー・シーゲルという米国の学者が著した『株式投資の未来』という本と出会ったんです。その本でシーゲル博士は、あらゆるデータを用い、「安定配当株は市場平均を上回る傾向がある」と結論づけていました。つまり、コカ・コーラやP&Gのような安定配当株を保有し、配当金を再投資していけば、市場平均、例えば株式指標に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)に勝てる可能性が高いと論じていたんです。だったら、それに挑戦してみようと思いました。

──なるほど。今も勝てると確信していますか?

 もちろんです。だから、初心者の皆さんも、インデックスファンドやETFから始めたとしても、いつかは個別株にトライしてほしいと思います。