日経平均は強い値動き。この流れは今週も続きそう

 先週末11月8日(金)の日経平均株価終値は2万3,391円となりました。週足ベースでは5週連続の上昇で、その上げ幅(前週末終値比)は541円と比較的大きかった他、週を通じて節目の2万3,000円台乗せをキープしつつ、連日で年初来高値を更新するなど、値動き自体はかなり強かったと言えます。

 このように日経平均の株価水準がさらに切り上がった格好になりましたが、その背景には米中関係の改善期待が大きく影響しています。

 まずは「先日の米中閣僚級会合での一部合意から交渉が進展している」との観測報道を受けて、週初の5日(火)に2万3,000円台に乗せ、その後も中国商務省が「段階的な関税撤回で合意した」と発表したことで上値を試しに行く動きとなりました。さらに、先週末にミニSQ(オプション取引およびmini先物取引)が控えていたことによる需給的な要因も株価の押し上げに一役買ったと思われます。

 そこで、まずはいつもの通り日経平均の日足チャートで足元の状況から確認していきます(下の図1)。

■(図1)日経平均(週足)の動き(2019年11月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日経平均の値動きをローソク足でたどっていくと、目立っているのは週初5日(火)に空けた「窓」による一段高と、週末8日(金)の大きな陰線です。特に週末に出現した陰線が気になるところですが、この陰線の4本値を細かく見ていくと、始値が2万3,550円、高値が2万3,591円、安値が2万3,313円、終値が2万3,391円です。

 先ほども触れた通り、この日はミニSQ日でSQ値は2万3,637円でした。つまり、8日(金)の取引時間中に一度もこの値段に届いておらず、いわゆる「幻のSQ値」になっています。

 今週の早い段階でこのSQ値を上抜けることができないと下方向への意識が強まってしまうことも考えられるのですが、週末の先物取引市場の終値が大取で2万3,450円、CME(シカゴ)で2万3,475円と上昇で終えていますので、SQ値超えのハードルはさほど高くはなさそうです。

 したがって、今週の値動きの予想レンジは引き続き25日移動平均線を基準としたエンベロープが目安になります(図2)。

■(図2)日経平均のエンベロープ(25日MA基準)(2019年11月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 直近までの値動きが継続し、+3%~+6%の範囲内で動くというのがメインシナリオで、株価が下がった際には25日移動平均線が下値のメドとなるのがサブシナリオです。