10月のドル/円は、始値と終値がほぼ同じ水準

 10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では予想通り3回目の利下げを決定しました。

 声明文では「景気拡大の維持に向け、適切に行動する」との文言が削除され、「経済情勢の実績と見通しを評価していく」という表現にとどめました。「適切に行動する」とは利下げを意味していたため、この文言の削除は今後の利下げ打ち止めとマーケットは理解し、ドル買いが強まり1ドル=109円30銭近辺まで買われました。

 ところが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は記者会見で、状況次第で今後の利下げの可能性も排除しないと発言したことから、米金利が低下し、ドル安、株高となりました。ドル/円は、108円台後半に押し戻されました。

 そして、FOMCの翌日31日には、「中国側がトランプ政権との長期的な貿易通商合意に懐疑的」とのヘッドラインが流れると、米中貿易協議の楽観ムードが後退。不透明感から1ドル=108円割れとなり、上値の重い地合いのまま10月は108円に乗せたところで終りました。