なぜ低PBR株が上がらないのか?

 低PBR株は割安なはずなのに株価がなかなか上昇しない、その理由は「収益力の低さ」です。

 企業の収益力を表す指標として代表的なものがROE(自己資本利益率)です。この数値が高いほど収益力が高いことを表します。

 実は低PBR株の大部分は、このROEが低いのです。ぜひ、低PBR株のROEをチェックしてみてください。

 この連載でもお伝えしてきたとおり、2013年後半から、成長株が圧倒的に強く、割安株があまり買われないという状況が続いてきました。

 成長株の多くはROEが高いです。だから企業成長のスピードも速く、株価も大きく反応しました。

 でも、低PBR株のROEはおしなべて低く、成長性という面からの魅力が乏しいため、株価上昇の蚊帳の外に置かれていたのです。

PBRを使った銘柄選びはどのようにして行う?

 ただ、業績の伸びやROEを重視した成長株が買われる展開に、2018年ごろから少しずつ陰りが見え始めているのも事実です。その代わりに、割安株が買われるという兆候が目立ってきました。

 したがって、今後PBRからみた割安株に注目が集まる可能性も十分にあります。

 それに備えて、どのようにPBRを使った銘柄選びを行えばよいか、筆者なりの考え方を示します。

 筆者が注目するのは、PBRが低く、かつ将来へ向けて企業価値の増加が見込まれるかどうかです。それにプラスして、倒産の可能性が低い銘柄を選びます。

 具体的には「毎年安定的に利益を出している」「配当金も毎年出している」「有利子負債が少ない」という点をチェックしています。