本日の注目通貨
豪ドル:RBA声明文に注目
豪ドル/円は米中貿易戦争のエスカレートでマーケットが一気にリスクオフに傾いた先月8月26日に69.94円まで急落して、2009年4月以来の安値をつけました。
対ドルでは今年の安値は1月フラッシュクラッシュの0.6655ドルですが、その次の安値は2010年6カ月前の0.6565ドル。その下には深淵が広がり0.6200ドル、0.6000ドルまで目立ったサポートは存在しません。
RBAは6月と7月に政策金利を連続して切り下げて、さらに追加利下げの可能性も示唆しています。来年には1%を下回る可能性があるわけで、豪ドルはもはや高金利通貨とはいえません。
米中貿易戦争が泥沼化するなかで、RBAが大きく弱気に傾くリスクが高まっています。一方で、RBAは早めの利下げの効果が今後表れてくることに期待していて、新たな成長不安については否定しています。
RBAは今日(3日)、政策金利を据え置く予定ですが声明文には注目です。豪経済の先行きに明るさが見えてくるなら、豪ドルは10年ぶりの安値圏まで下がっているだけに、反発が期待できるでしょう。
8月の豪ドル/円の高値と安値の差は4.91円。半値(50%)は72.40円。9月の豪ドル/円相場でまず注目するのがこのレベル。ここをブルベアの分岐点と考えます。72.40円より下にある限り豪ドル安トレンド続行、72.50円以上に戻してはじめてトレンドに変化ありと考えます。
8月の1日の平均値幅は0.96円。7月の0.45円と比較して倍以上の動きでした。1日の最大値幅は8月26日の2.14円で、豪ドル/円が10年ぶり以上の安値をつけた日であり、ドル/円が一時104円台まで下落した日でもあります。前日比で上げ幅が最大だったのは8月13日の1.49円で、トランプ大統領が対中関税発動を延期した時です。米中貿易戦争のニュースが豪ドルを最も動かしていることが分かります。