ブラックマンデーの回顧

 以下の記事は、マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート「The Gloom, Boom & Doom」2017年11月号『1987年から30年で何が変わったのか!』の中のブラックマンデーの回顧である。パンローリングから許可をもらって掲載している。

【1987年夏まで、米国だけでなく世界中に浮かれたムードが漂っていた。ところが、1987年夏までに、米国株が買われ過ぎている状況を懸念する予測者が出てきた。同年に株価が40%を超える上昇を見せたことを思い出してほしい。

 ロバート・プレクターもそのひとりである。彼は1978年に『エリオット波動入門』を執筆したときには、ダウ平均が3000近くにまで上昇するだろうと強気を唱えていた(そして、誰にも信じてもらえなかった)。その彼が1987年9月初旬には弱気に転じたのだ。しかし、これは過半数の見解ではなかった。

 10月19日ブラックマンデー直前直後の日々は、私をひどく揺さぶった。極めて混沌としていたからだ。自分の顧客も個人的にも稼ぐことはできた。しかし、ソロスのような賢明な人物でさえ2週間で資産の32%を失ったのだ。とすれば、私にも起こる可能性があると考えた。そこで、私は売り玉を減らし、しばらくの間、相場から離れると誓った。

NYダウ(日足)1986~1987年のチューダーのエリオット波動カウントとブラックマンデー

出所:石原順

 先ほどロバート・プレクターが1987年9月に弱気に転じたと述べた。しかし、暴落直前に大量の売りを仕掛けて富を築いたファンドマネジャーは、友人のポール・チューダー・ジョーンズだった。彼が80年代に叩き出した運用成績はソロスよりもはるかに優れている。彼は1987年を約100%のリターンで終えたのだ!

 ポールは私が今まで会った中で最も偉大で、最も誠実なトレーダーである。彼には持って生まれたトレードの本能があるにちがいない】

(マーク・ファーバー)

出所:The Gloom, Boom & Doomマーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート2017年11月号『1987年から30年で何が変わったのか!』・国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載

三角もちあい崩れでドル/円は年内100円割れの可能性が高まった

 ラジオやセミナー等でずっと取り上げてきたドル/円の三角もちあいだが、8月26日の105円割れでもちあいが崩れた。ここから年内に100円~98円どころの円高を目指すことになると思われる。ドル/円は今後戻り局面があっても、すべて叩かれることになるだろう。

ドル/円(週足)と三角もちあい

出所:石原順