カルテット(四重奏)運用法のリスク分散効果に注目

「卵は一つの籠(かご)に盛るな」(Don’t put all your eggs in one basket)は「分散投資」の意義を伝える格言です。世界景気が減速し、低インフレ・低金利の長期化が見込まれている中、国内株式や国内債券(利回りはマイナス圏)だけで資産運用を実践するにはリスクがありそうです。

 投資環境の変化次第で好不調が入れ替わる資産(種類)のリスク・リターン特性を理解し、内外市場に幅広く分散投資をすることで、運用資産全体のリスク低減を目指すことが大切だと考えられます。分散投資における最適な資産別ウエイト(資産配分比率)は、投資家それぞれのリスク許容度やニーズ(選好)に応じて決定されるべきと言われますが、「リスク・リターン特性が異なる内外資産に幅広く分散投資すること」が重要と考えています。

 そこで、参考モデル(例)として「カルテット(四重奏)運用法」を図表2でご紹介したいと思います。

図表2:カルテット運用法の資産配分とリスク分散期待

出所:楽天証券経済研究所作成 ​
※上記はあくまで一般的なイメージであり実際の値動きが異なる場合もあります。上記資産配分は参考情報であり、将来の投資成果を保証しません

 上記モデルは、「わかりやすさ(運用管理のしやすさ)」を重視し、

(1)4種類の資産クラスに幅広く資産配分(株式30%、債券25%、REITは30%、金15%)
(2)株式とREITは国内と外国に等配分
(3)債券は金利水準を加味して国内債10%、外国債15%
(4)そして金に15%を配分する(以上で100%)
(5)年末にリバランス(市場変動で生ずる配分比率のズレを等配分に戻す調整売買)

を実施することを想定しています。

 株式、債券、REIT、金に分散することで、全体のリスク(リターンのブレ)を抑制できる効果を期待できることが本質です。