適切な備えをする為に、公的保険と民間保険の役割を知る

「保険」と言うと、生命保険会社などから加入する民間保険をイメージすると思います。

 生命保険文化センター「平成28年度の生活保障に関する調査」によると、「生命保険」に加入している人は男女とも多く、男性では80.6%、女性では81.3%となっています。

 性別・年齢別に生命保険加入率をみると、男女とも20歳代では50%程度なのに対し、30歳代では80%程度に増加しています。

出所:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」

 つまり、タイミングで言えば、20歳代から30歳代にかけて多くの人が生命保険に加入しています。この世代は結婚や住宅購入など人生の中でも大きく生活が変わる人が多いので、生命保険の加入や見直しが積極的に行われていることが分かります。

 ただし民間保険を選ぶ際の前提として、「公的保険では不足する万が一の備えを民間保険で補う」ということを覚えておきましょう。例えば、医療保険制度では医療費の3割(場合によっては1割)が自己負担となるだけでなく、ひと月の医療費が高額となった場合に一部負担で済む「高額療養費制度」、一定条件下で介護サービスを1割程度で受けることが可能な「介護保険制度」。老後の生活費の基盤となる「年金保険制度」など多種多様な保険制度が存在します。

出所:厚生労働省「社会保障の教育推進に関する検討会報告書-資料編-」を参考

 特に「高額療養費制度」への理解が重要です。高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(入院時の食費負担や差額ベッド代等は含まず)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。年収などによって条件も変わりますが、下図のようなイメージです。

出所:厚生労働省保「高額療養費制度を利用される皆さまへ平成30年8月診療」を参考

 場合によっては勤務先の福利厚生として、弔慰金制度などの生活保障を用意してくれていることも考えられます。それでもカバーできない費用負担については、万が一に備えるために民間保険への加入を検討しましょう。