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 今年は人類が初めて月面に着陸してから50年目となる節目の年に当たります。NASAが再度の月面着陸を目指す計画を発表するなど『宇宙開発』や宇宙ビジネスが脚光を浴びつつありますが、実は人工知能(AI)がロケットの打ち上げや新惑星の発見などですでに活躍しています。AIが『宇宙開発』や宇宙ビジネスで活用される機会は今後増加することが予想され、その動向が注目されます。

 

【ポイント1】人類初の月面着陸から今年で50周年

NASAが再度の月面着陸計画を発表するなど『宇宙開発』に脚光

 今年は、1969年に人類がアポロ11号で初めて月面に着陸してから50年となる節目の年に当たります。こうしたなか、米航空宇宙局(NASA)が今年5月、2024年までに月面に再び宇宙飛行士を送り込む「アルテミス計画」を発表するなど、『宇宙開発』が脚光を浴びつつあります。

 実は、AIが『宇宙開発』や宇宙ビジネスの分野においてもすでに活用されており、一定の成果を挙げています。以下で実例をみていきます。

 

【ポイント2】JAXAのロケットでは2013年からAIが活躍

米グーグルのAIは新惑星を発見

 2013年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げたロケット「イプシロン」初号機には、ロケットとしては世界初となるAIを使った自動・自律点検システムが搭載されました。これによって、機体点検の自動化・効率化に成功し、ロケットの「設置→発射」のプロセスを従来の42日間から7日間に短縮できました。

 2017年には、米グーグルのAIが、NASAの宇宙望遠鏡が観測した膨大なデータを分析して新たな太陽系外惑星を発見しました。AIが発見した初めての惑星とされています。

 

【今後の展開】『宇宙開発』や宇宙ビジネスにおけるAIの活躍余地は大きい

 最近では、宇宙ビジネスの1分野として、人工衛星が観測したデータをAIで解析し、活用するサービスも注目されています。三菱重工業は人工衛星から地球を観測して得たデータをAIで解析し、災害の分析や救助に活用するサービスに取り組んでおり、今年中に試験提供を始めるとしています。

 ロケットなどの打ち上げや、人工衛星から得られるデータの解析、あるいは宇宙探査機の自動運転など、AIが『宇宙開発』や宇宙ビジネスで活用される機会は増加することが予想されます。今後の展開が注目されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。