個人投資家のレバETF買い。日経平均2万円が目安?

 連日、売買代金は全市場でトップを記録し、大商いだったレバETF。このレバETFの発行済み口数が、急落前からいったん底入れした6日までの3日間で、約700万口増加(3日で4割増!)していました。つまり、日経平均が大きく下がったことで、「ここなら買いたい!」とする新規の資金流入が殺到していたということです。

 レバETFの口数が約700万口増えたというのは、仮に1口を1万7,000円として計算しても約1,200億円に相当します。このレバETFは、日経平均株価の変動率の2倍を約束した商品設計なので、運用会社側では資金流入額を仮に1,200億円とすると、その2倍に相当する2,400億円分の日経平均先物を買います(買うタイミングは、口数が増加した日の翌日の引け間際)。

 この分が、前述の野村證券による日経平均先物爆買いの背景(いずれも急落した日の1日遅れで大幅買い越しで手口が出る)と言えそうです。

 買った商品がレバETFということは、大半が個人投資家でしょう(一部、地銀など国内の機関投資家もこれ買うらいしいですが)。今回の発見は、日経平均が2万円に接近するような場面では、活気を失っていた個人投資家の重い腰も上がるのだということです。この急落の手前、7月までは連日、薄商いに悩まされていましたよね。いつも閑散。なぜ閑散?と言えば、値幅が出ないからです。値幅が出ないから人も動かない。人も動かないから、ますます値動も出ない――この繰り返しでした。

 それが、株価が大きく下がると、個人投資家の待機資金が動き出すわけです(株価を下支えしていればリスクプレミアムが低下して個人投資家が喜ぶと思い込み、ETFを年間6兆円も爆買いしている日銀さんに気付いて欲しいもので・・・・・・)。

「2万円接近でGO!」だったり、昨年12月末に下げ止まった「日経平均のPBR(株価純資産倍率)1倍接近でGO!」だったりと、人それぞれの判断基準があると思いますが、少なくとも2万円台前半は「ここなら買いだろう!」「いつまでも弱気一辺倒ではダメだろう!」と琴線に触れる値段であることが見えました。