日本株の下げ理由。ヘッジファンド空売りとクレディスイス2,000億円の先物売り

 一方で、我らが日本株。史上最高値圏でもなければ、年初来高値圏でもない・・・・・・そのなかで、誰が売ったのか? 手持ちの株を売却した機関投資家が多かったのか? 結果は毎度コレ、東証が開示する空売り比率を見る限り「平常時より空売りが増えた」で説明が付きました。

 8月1日に45.5%だった空売り比率が、急落初日の2日は50.3%に急上昇。急落2日目の5日は過去最高の51.5%記録。ヘッジファンドによる空売りで下げたのがバレバレで、これも3カ月前と全く一緒でした。

 空売りというのは、このネタで不安を煽り、株価の下げで儲けようとする投機筋の売りのこと。3カ月前の米中摩擦局面に弱かった銘柄群を複数パッケージ(例えば、安川電機、SMC、資生堂などのバスケット)で空売りしたものと予想されます。

 また、日経平均株価のような指数も、テクニカル分析なんて全く意味なし状態で壊れました。なんで? これも、3カ月前と全く一緒です。「先物の爆売りbyクレディスイス」でした。急落初日の2日、クレディスイスの手口は「日経平均先物5,981枚売り越し/TOPIX先物を4,166枚売り越し」でした。

 金額でいえば、この証券会社1社経由だけで、2,000億円規模で先物を売り越したわけです。3カ月前の急落の時も、初日の売り筆頭はクレディスイスで「日経平均先物3,065枚売り越し/TOPIX先物3,670枚売り越し」でした。

 3カ月前と下げた理由も一緒、下げ幅もだいたい一緒、売られ方も一緒、売ってる主体もおそらく一緒。米中摩擦ネタが浮上した場合に「日本株市場で関連銘柄を空売りしたり、先物を売っとけばかなり儲かる」というトレードアイディアが出回っているかのようです。実際、今回もその通りになったわけで、非常に再現性が高い手法と言えます。また、米中対立激化の新しいニュースでも出れば、同じことが起きるかもしれません。