PBR0.4倍と株価指標は極端に割安。配当利回りは4.7%

 三菱UFJの収益力や財務内容は、株式市場で正しく理解されていないと思っています。それが、同社の「極端に割安な」株価指標に現れています。7月30日時点で、同社株のPER(株価収益率)はたったの7.5倍です。東証一部全体の平均(13.6倍)と比べて、大幅に低い評価です。

 三菱UFJは過去8年間、金利が大きく低下する中でも、安定的に8,000億~1兆円の純利益を稼ぎ続けています。低金利でも安定高収益を稼ぐ力を示しているのに、あまりに低い評価と思います。

3メガ銀行の連結純利益:2014年3月期実績~2020年3月期予想

  三菱UFJ FG 三井住友 FG みずほFG
2014年3月期 9,848 【最高益】8,353 【最高益】6,884
2015年3月期 【最高益】1兆 337 7,536 6,119
2016年3月期 9,514 6,466 6,709
2017年3月期 9,264 7,065 6,035
2018年3月期 9,896 7,343 5,765
2019年3月期 8,726 7,268 965
2020年3月期 【会社目標】9,000 【会社予想】7,000 【会社予想】4,700
単位:億円
出所:各社決算資料。2020年3月期は会社予想。三菱UFJは会社目標

 さらに驚くのが、三菱UFJのPBR(株価純資産倍率)が0.4倍の低さにあることです。解散価値と言われるPBR1倍を大きく割り込んでます。これは、日本が金融危機にあった1998~2002年の大手銀行株よりも低い評価です。当時と比べて財務内容が格段に改善し、保有する有価証券ポートフォリオに3月末時点で3兆3,356億円もの含み益があるにもかかわらず、PBRでここまで低く評価されるのは解せません。

 一番注目したいのは、配当利回りです。7月30日時点で、4.7%です。同社は、今期(2020年3月期)に増配を予定しています。1株当たり配当金を前期22円から、今期は25円とする予定です。将来、増配も期待できると考えられます。2023年度に、配当性向を40%まで引き上げる計画だからです。私は、高配当利回り株として、長期投資していく価値が高いと判断しています。