三菱UFJの収益力は正しく理解されていない

 三菱UFJの2019年3月期の決算を改めてレビューします。連結純利益は前期比12%減の8,726億円でした。「銀行の収益悪化が止まらない」と、メディアにはネガティブなコメントが広がりました。

 私は、決算内容を見て、安定的に高収益を稼ぐ力を示した良い決算だったと思いましたが、市場はネガティブに反応しました。市場が特にネガティブにとらえた理由は、「三菱UFJ、業務量削減量1万人超に積み増し」というメディア報道の見出しだったと思います。メディアによっては、「メガバンク、1万人リストラ」といったミスリーディングな見出しで報じているところもあります。

  正確に言うと、「三菱UFJは、デジタライゼーション(デジタル技術の利用)の推進によって、2023年度までに1万人の業務量を削減できるようにする」ということです。それまで、2023年度までに9,500人分の業務量削減を目指すと表明していましたが、今回、1万人分に上積みしました。

 実際に従業員数をどれだけ減らすかについては、同社は「2023年度までに(2017年度比で)6,000名程度の人員減少(自然減)を見込む」としています。「自然減」と言っていますので、定年退職などで6,000名減る見込みということです。「早期退職者の募集」のようなリストラを予定しているとは言っていません。

 三菱UFJが、2023年度までに1万人分の業務量を削減できるメドがたったというのは、投資家から見てポジティブなニュースです。従業員数が自然減で6,000人減れば、人件費は大幅に減ります。それでも問題なく業務を回していくメドが立ったというのは、ポジティブです。

 1万人の業務量を削減して人員が6,000人しか減らなければ、4,000人分、余剰ができます。収益性を高めるためのさまざまな事業(海外事業やデジタライゼーション関連)に活用していくことが可能です。