資産は運用すればいいだけではない

 資産形成を行い、将来必要となるお金を貯めることは、私たちがより良い生活を求めるだけでなく、現状の生活を維持するためにも必要となってきます。ただし資産形成はいつまでも続けるものではありません。いずれ定年となり、安定した給与がなくなれば普段の生活を続ける為にも徐々に資産を取り崩すことも考えられます。 

出所:金融庁 「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)資料より抜粋

 上図は金融庁が発表した、個人がお金について考えるときの「ライフステージ別の留意点」です。ライフステージは、大きくわけて3つのステージに分かれていると考えられています。自分がどのステージにいるかを把握することで、自分にとって必要な資産形成・管理の方法を理解して、お金と向き合いましょう。

1.現役期(資産形成期)に求められること
 ✓ 自分の考えに添った複数のライフプランを検討する
 ✓ 早い時期からの資産形成の有効性を理解すること
 ✓ 少額からでも長期・積立・分散投資による安定的な資産形成を行う

2.リタイア前後期(運用継続期)に求められること
 ✓ 退職金・ローンを踏まえたライフプランを検討する
 ✓ 就労継続の検討や収支改善などを行う
 ✓ 資産運用の継続と計画的な取り崩しを検討

3.高齢期(資産管理期)に求められること
 ✓ 心身の衰えを考慮した上でのライフプランの見直しをする
 ✓ 認知・判断能力の低下・喪失への備え
 ✓ 資産の管理をしてくれる信頼できる人を探す

 どのステージにおいても共通して大切なことは、「みんながやっているから」という考え方を捨てて、自分にとって何が必要かをきちんと理解し、実行することです。

自分を中心に考えたお金の設計をしよう

 お金に関する情報は、いつの時代でもどの世代にとっても気になる話題でしょう。日常生活で簡単に始められそうな節約から、つい気になってしまう投資話まで、数多くの情報が世間には溢れています。

 自分の人生にはどんな資産形成が必要で、どんな方法があるのかを自分で選択することが求められるようになっています。結局は人生が人それぞれ違うようにお金の悩みも資産形成のやり方も人それぞれです。

 その中で私たち全員に共通する財産は時間です。そして資産形成を行う時に最も重要なことは時間を味方にすることです。貯蓄をするにも、資産運用で資産を増やすにも、時間をかけて行うことが非常に効果的です。

 お金の知識を身に付けるのに遅すぎるということはありません。いつ始めるのかではなく、今から始めて将来に備える資産形成を実現しましょう。