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『参議院選挙』は7月4日に公示され、7月21日に投開票されます。参議院は、議員の任期が6年で、3年毎に半数ずつ改選されます。年金制度などの社会保障や憲法改正の是非などが争点になるとみられています。選挙の勝敗ラインとして与党の自公両党で非改選を含めた全体の過半数確保、参院で改憲に前向きな勢力の議席数が全体の3分の2に届くかなどがポイントとなります。

 

【ポイント1】『参議院選挙』で前回比3議席増の124議席を争う

 一票の格差是正のため2018年に公職選挙法が改正され参議院の定数は6増え248議席となりました。これに伴い今回の『参議院選挙』は3議席増となり、選挙区74議席と比例代表50議席の合計124議席で争われます。今回から比例代表で政党が指定する候補を優先的に当選させる「特定枠」も導入されます。

 与党自民・公明の勝敗ラインは、非改選を含めた過半数の53議席、改選議席の過半数の63議席、改憲に前向きな勢力の議席数が全体の3分の2となる85議席などがポイントとなります。全体の勝敗を左右する32の1人区では、立憲民主など野党5党派は全選挙区で統一候補を擁立し、自民党に対抗する方針です。

 

【ポイント2】年金、憲法改正などが争点

 一時、衆参ダブル選挙の観測が出ましたが、結局参議院単独の選挙となったこともあり、当初今回は争点の乏しい選挙と言われていました。ただ選挙直前になって、老後資産に2,000万円が必要とした金融庁審議会の報告書に絡む年金など社会保障問題が争点として浮上してきました。野党はこの問題を選挙の最優先の論点として選挙に臨む方針です。

 一方、安倍首相は『参議院選挙』で憲法改正の是非を問い、選挙結果次第では、国民の信任を得たとして、野党に国会の憲法審査会での協議を迫る方針とみられています。与党に加え日本維新の会など改憲に前向きな勢力の議席数が全体の3分の2となるには85議席が必要となります。

 

【今後の展開】中長期的な視点にたった政策論争が望まれる

 報道各社が7月5日までに実施した『参議院選挙』の序盤情勢調査では、概ね与党の優勢が伝えられていますが、投票先を決めていない人も多く流動的な要素は残ります。選挙結果は安倍首相の求心力に影響を及ぼすとみられるため今後の動向が注目されます。今回の選挙戦を通じて、与野党間で日本の社会保障や憲法など幅広い分野で中長期的な視点にたった政策論争が深まる契機となることなどが期待されます。