プロジェクトF・ファンドの挑戦者

 続いて、バランス(固定配分)部門の最優秀賞受賞ファンド「世界経済インデックスファンド(株式シフト型)」の誕生に関わった、執行役員投信営業第2部長の大野宏央さんと、営業企画部長兼金融リテラシー推進室長の松尾聡さんに独占インタビューしました。

発明級!GDPシェアを反映したバランス・ファンド誕生

発明級のバランス・ファンドはどうやって生み出されたのか

「投資信託は一般の商品と違い、しっかりと投資信託の魅力、内容をご理解いただいて、販売が伸びていく、ということになります。このファンドも、GDP(国内総生産)で資産構成を変化させる新しい考え方であったため、発売当初は苦戦を強いられましたが、本日、こういう賞をいただくと、残高のみならず投資信託の魅力を正にご理解いただけている証しとも言え、とても励みになります」

 株式や債券、REIT(リート:不動産投資信託)など値動きの異なる資産を組み合わせて運用するバランスファンド。その「固定配分部門」の最優秀ファンド賞を受賞した「世界経済インデックスファンド(株式シフト型)」のプロモーションを担当する、執行役員投信営業第2部長の大野宏央さんはこう話す。

 同シリーズの設定は2009年1月。最初にまず株式と債券を50%ずつ配分したタイプを発売し、その4年後、顧客からの要望に応え、満を持して、株式75%債券25%の「株式シフト型」と、株式25%債券75%の「債券シフト型」を追加したが、2009年に発売した当初は、思うように販売額が伸びなかったという。

 投資信託に慣れた人なら、同社のインデックスファンドというと「SMTインデックスシリーズ」を思い浮かべる人が多いかもしれない。日本初の個人投資家向けインデックスファンドシリーズとして2008年1月に立ち上げて以降、世界中の資産に投資するさまざまなファンドをリリース。2014年には純資産残高1,000億円を突破。さらにラインアップを増やし、現在の同シリーズは34本、純資産残高2,400億円という規模にまで成長を遂げるこの人気シリーズがありながら「世界経済インデックスファンド」を立ち上げた背景を大野さんはこう話す。

「その頃はまだ『SMTインデックスシリーズ』にバランスファンドは用意されていませんでした。そんな中で新たにバランスファンドを立ち上げることになったのですが、単純に4つの資産を均等に組み合わせるなど既存と同じタイプの商品では訴求力に欠けるだろうという思いがありました。そこで社内で議論を重ねた結果、世界の地域別GDPシェアを基に資産を配分するというコンセプトにたどり着きました。これは当時のバランスファンドでは画期的なものでしたから、主に積み立てでのご投資を想定した『SMTインデックスシリーズ』としてでなく、広くご投資いただける投資信託として、全く新しい商品としてリリースすることにしたのです」

執行役員投信営業第2部長の大野宏央さん