「新経連株価指数」の長期的な優勢に注目
こうした中、一般社団法人・新経済連盟(略称:新経連)が6月20日に発表した新しい株価指数「新経連株価指数」(Japan New Economy Index、略称:新経連指数)に注目したいと思います。新経連とは、イノベーション(創造と革新)、アントレプレナーシップ(起業家精神)、グローバリゼーション(国際的競争力の強化)の促進を目的に、政策提言や会員企業(約525社)への情報提供等に取り組んでいることで知られています。会員企業にはIT関連企業やベンチャー企業が多く、そのうち約100社が東証、東証マザーズ、ジャスダックに上場されています。新経連指数は、これらのうち96銘柄で構成されている浮動株調整時価総額加重平均指数です(ただし1銘柄の構成比率上限は3%/起算日は2012年6月1日)。
図表2は、6月1日を100として、新経連指数とTOPIXの総収益の推移を比較したものです。IT(デジタル)革命やニュービジネスの成長期待を反映し、新経連指数は2018年9月に約485まで上昇し、現在は393となっています。TOPIXは2018年1月に約302まで上昇し、現在は252となっています(6月26日)。新経連指数の長期的優勢は、内外投資家からの期待が総じて高い企業群が多いことが背景と考えられます。
新経連は、「成長企業が多く加盟する経済団体であることを様々な機会でアピールしてきた。新経連指数は、そうした連盟の特徴を可視化したもの」と説明しています。相場全体の軟調に押されて新経連指数も下落を余儀なくされた経緯がみてとれます。ただ、外部環境の改善に伴い、株式相場の底切れが鮮明となれば、同指数が市場平均に対する優勢を取り戻していく余地も拡大していく可能性は高いと考えています。
<図表2>新経連株価指数は約7年で約4倍となった