大手総合商社は、「資源関連株」と言われます。世界中に、原油、LNG、石炭、鉄鉱石、銅などの天然資源権益を保有し、資源事業で高い利益を上げているからです。

 配当利回りが4~6%に達している大手総合商社は、高配当株として魅力的です。ただし、世界景気に不安が生じて原油価格が下落している今、投資して良いでしょうか? 私は、積極的に投資していく価値があると考えています。今日は、その理由を説明します。

 その前に、最近の原油価格の動きを解説します。

中東情勢緊迫でも、原油価格の反発は限定的

 中東ホルムズ海峡で13日、日本の海運会社が運航する1隻を含む2隻のタンカーが何者かに攻撃を受けて炎上しました。ホルムズ海峡は、世界の原油輸出量の約35%が通過する交通の要衝です。原油供給が不安定化する不安から、一時、ニューヨークのWTI原油先物が急騰しました。ところが、その後は上値が重くなっています。

 冷静に考えて、国際的な監視が強まる中で、ホルムズ海峡で同じような攻撃が次々と起こるとは考えられないからです。また、米シェールオイルの増産、中国景気悪化による需要減速によって、原油需給がやや緩んでいることも影響しています。

WTI原油先物(期近)の動き:2018年12月末~2019年6月14日