本日の注目通貨
ドル/円:メキシコ関税回避の期待と雇用統計悪化の不安
5日(水曜)のドル/円は、悪いニュースと良いニュースの両方が出ました。悪いニュースは、ADP雇用統計が、予想の+18万人に対してたった+2.7万人という冴えない結果だったこと。特に製造業の減少が大きく、米中貿易摩擦の影響が雇用に影を落としていることを示しました。明日(7日)には米労働省が5月雇用統計を発表しますが、こちらも予想に届かない可能性が高そうです。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「景気拡大の維持のため適切に行動する」と発言しているだけに、指標の悪化はFRBの利下げ確率を高めます。
良いニュースは、米通商担当のナバロ米大統領補佐官が「メキシコに対する関税発動は必要ない」との見解を示したこと。米上院財政委員会のグラスリー委員長も「メキシコと関税について6日に合意する見通し」と述べました。ADP雇用統計の結果を受けて107.81円まで安値を更新したドル/円ですが、関税回避期待で108.42円まで反発しました。
また、ムニューシン財務長官が今週末に福岡で開かれるG20会議で中国人民銀行の易総裁と会談すると発表があったことも、米中貿易協議の進展を期待させる良いニュースでした。