前回の第4回で、小麦の高騰について話をしました。今回は小麦を含んだ穀物全般の話です。長期的な視点で見て、穀物価格の地殻変動とも言える、大規模な底上げが起きたことについて話をします。穀物相場の全体像をとらえる上で、急騰・急落とはまた違った意味で非常に重要です。

上がったまま下がらない、その理由は?

 世界の主要な先物市場で取引されている穀物銘柄のうち、とうもろこし、大豆、小麦は比較的規模が大きい銘柄です。これらのは、長期的に価格水準を切り上げながら推移してきました。最も取引量が多いとうもろこしで具体的な値動きをみてみましょう。

 図:とうもろこし先物価格 (期近、月足、終値)

単位:セント/ブッシェル
出所:CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)のデータをもとに筆者作成

  市場の価格は需要と供給のバランスで決まると言われます。つまり、売り手と買い手が価格の面で折り合いがついた時に価格が決まるということですが、上図のとおり、とうもろこしの価格は、1974年前後と、2008年前後の2度、そのつり合いが取れる価格の水準が切り上がってきました。

 この2度の価格水準の切り上がりについて、その背景を詳しく見ていきましょう。