本日の注目通貨
ドル/円:108円も110円も失敗か
FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げしないのは、米経済が弱いからではない。米経済は強い、労働市場も強い。インフレ期待が上がらないから利上げしないのだ、NY連銀総裁は述べています。したがって4月の消費者態度指数でインフレ期待が上昇していたことは、FRBの利上げ判断においてとても重要なだといえます。
しかし、インフレ期待が上昇したからといって、FRBすぐに利上げするというわけではありません。特に最近では、FOMC(米連邦公開市場委員会)内から「インフレ2%超えを容認」するべきという意見もでています。インフレの芽を摘み取ってしまうのではなく、大切に育てて大きくしようというわけです。少なくとも一部で心配されていたような、利下げの確率が低まったことは確かですが、利上げ再開まではまだ時間がありそうです。
トルコリラ/円:対米関係改善期待で上昇
30日(木曜)のトルコリラ/円は急上昇。18.08円を安値に18.65円まで上昇して今月の高値にほぼ並びました。トルコリラ/円の1日の値幅は平均すると0.30円なので、いつもの2倍近く動いたことになります。
トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領が電話会議を行ったというニュースがリラ買いを加速させました。トルコがロシア製のミサイルを調達する計画を発表して以来、両国関係が険悪になっていましたが、問題解決の兆しが見えたことがマーケットを安心させました。
しかし、トルコは国内政治にも問題があります。次の重要日は、イスタンブール市長選のやり直し投票日の6月23日。最新の世論調査では、野党側の候補がわずかにリードしていいます。しかし、エルドアン大統領の与党AKPが、わざわざ負けるために選挙をするとは考えられず、すでに不正工作の噂さえ出ています。独裁政治を嫌気したリラ安再燃の可能性も残っています。、トルコ中央銀行にはリラ防衛のための十分な資金がないといわれています。