本日の注目通貨

豪ドル/円:豪ドルはもはや高金利ではない

 豪ドルは東京時間に急落。豪ドル/ドルはNY時間には0.6866ドルまで下値を伸ばしました。豪ドル/円は75.62円まで下げましたが、その後76円台を回復しています。

 ロウRBA総裁は、21日のスピーチで、6月の政策会合で「利下げを検討する」ことを表明しました。RBAは今月5月の会合では政策金利を据え置きましたが、議事録によると3月時点から利下げは続けていたようです。今回のRBA総裁の発言は、「利下げする」ことを正式に認めたことになります。豪4月雇用統計に弱さが見え始めたことが理由。

 マーケットは、8月あるいは11月にに利下げ第2弾を実施するだろうというのがマーケットの予想です。

 豪の政策金利は現在1.5%。25ポイントずつ2回利下げするとしたら、年末には1.00%になってしまいます。場合によっては1.00%割れということもありえます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
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ドル/円:FOMC議事録が上昇の弾みになるか?

 5月の会合でFOMCは強気と弱気が入り混じる内容でした。政策金利は予想通り据え置かれましたが、IOER(超過準備預金金利)の利率を引き下げたことが「ハト派的(弱気)」とみなされました。ところが、その後の記者会見でパウエルFRB議長がIOER引き下げは緩和政策とは関係ないと述べ、インフレの低迷は一過性な現象と「タカ派的(強気)」な見解を示しました。全体とすると、一体FOMCはどっち寄りなの?ということで今夜のFOMC議事録が重要になるのです。

 先週発表された消費者態度指数は15年ぶりの高水準となり、米消費者のセンチメントが大きく上向いていることを示しました。さらにはインフレ期待も上昇。これこそパウエルFRB議長が待っていたもの。忍耐強い政策の効果がようやく現れたのです。利上げはともかく利下げの可能性は後退しました。

 しかし、米中貿易摩擦がこれだけエスカレートすることは計算に入っていないことを注意しておくべきでしょう。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成